一年前、一年後。
高校三年生の夏、
中高の六年間走り続けた君は、部活を引退し夏休みに入っていた。
何組ものアーティストが来日するのを横目でみながら、フェスやライブに行きたいのをジッと我慢し、
それこそ文字通り寝る間も惜しんで、テキストにかじりついていた。
確かに私からみたら、君がたてた目標は高かった。
しかし不思議と君には悲壮感はなく、確実に階段を登って数ヶ月後の自分が見えているような気がした。
もちろん私達は応援した。ただ一抹の不安もあった。
振るいにかけられる以上、最悪の場合だってなくはない。
打ちひしがれる自分の息子の姿は見たくはないと思っていた。
今から一年前だった。
続きます。
今年の春、君は自分の力で求めるのを手にした。
受験校全てに合格。
ウン十年前に私を門前払いした学校からは、学費免除の通知をもらったが、そこではないと言いきった。
その君を褒めてやりたいが、認めた私のことも褒めてほしい。
外国語学部英語学科。同系統の学科ではトップクラスの学生。
親としてはブログに書いてしまうほど嬉しい。たいした息子だ。
そして今、二つのサークルで学内外に出来る友人も増え続け、大学生活を満喫している君。
合宿だのコンパだの練習だのフェスだの…。
自宅ではめったに笑顔を見せないのは相変わらずだが、多少は社交的になったのだろう。
久しぶりに君のこんな笑顔を見て見たいものだと思う。
そんな君を見て思う。
一年前とは確実に違う君。間違いなく心身共に成長した君。
そしてあと一年で君は大人になる。社会的にも責任を負う。
留学をしたいと言っていたようだか、その時は日本にいるのだろうか。
近くにいようが遠く離れていようが、
親は親、息子は息子だ。
来年も誕生日にはおめでとうと言おう。
今年は一日遅れてしまったが。
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