甘えん坊の成長…。
ちょっと前の、アジア杯準決勝韓国戦。
私は、鬼の形相でPK戦を制した川島を見て、
また思い出していました…。
クラブ主催のカップ戦、アジア杯と同じく、準決勝はPK戦までもつれ込んでいた。
相手がシュートを蹴る瞬間まで、
その目は常に正面の一点を凝視し心を集中させていた。
それまで君は、相手のPKを三本止めていた。
ただ…、残念なことに自チームのシュートも四本、枠に嫌われていた。
結果、1ー2 で敗退。
勝利の女神に突き放された君は、暫くへたり込み天を見つめていた…。
毎試合、キックオフの笛と同時に、
声を途切れさせる事なく仲間を鼓舞し続けていた。
試合後は、いつも声が枯れていた。
持ち帰る洗濯物は、お揃いのユニフォームでなく、
チーム備品の長袖のシャツの方が多かったよなァ…。
グローブ買っても、すぐボロボロにしちゃうし…。
そんな君がサッカーから足を洗ってから、もうどのくらいの時が過ぎたのだろうか…。
試合のビデオは撮らない主義の私には、
もう、頭の中にある残像しか残っていない…。
思い出は、まだまだ続きます…。
その時、
待合室のテレビは、長野で行われていたオリンピックを映し出していた。
私は、診察室にいる嫁さんをよそに、
吹雪舞うなか抱擁する原田と船木に見入っていた。
診察が終わった嫁さんを義実家に送ったあと、自宅に帰った。
独り暮らしという以外は、なにも特別な事のない時間を過ごし床につき一日を終えた。
翌朝は、目覚ましでなく電話で起こされた。
嫁さん 「昨日はあれからどうしたの?」
私 「特に…、何もなし…。なんで?」
嫁さん 「いや、別に…。」
「あっ、そうそう、昨日あれからまた病院にいったんだ。」
「ていうか…、産まれちゃった、急に。」
十三年前の3月25日…、
何も特筆することのない、平凡な日曜日の翌朝の出来事に、
呆気にとられる私…。
予定日より十日程はやく、我が家の育児設計が一年前倒しになった日でした。
産まれた時から、我が道を行く性分を持っていたようです。
めったに病院のお世話にならなかった兄のK介に比べ、
彼の名前が記された診察券の何枚あったことか…。
加えて、やっぱり次男とはこういうものかと思わせる典型的な甘えん坊…。
でも、そんなM也でも、人並みに月日と共に成長は止まらなかったようです…。
骨太、肉厚、尻デカ、ニキビ面…、
スリムな兄とはまた一味違った、
典型的なガッシリタイプの中学生に…。
ひょんなきっかけから、自ら足を踏み入れたバレーボールの世界。
君は、恵まれていることに気付いてますか?
一年坊主のうちから試合に出してもらい、
セッター、アタッカーとオールラウンドに…。
でも、これから君に必要なものは自覚だ。
バレーボールでも普段の生活でも。
ソトヅラのいい君は、人には褒められる事が多いけど、
人の見ていない所で自覚を持とう。
親の私に出来ない事を、息子に望んでなにが悪い。
これからの君に、期待している。
もう昨日になってしまったけど、
誕生日おめでとう。
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